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子どもたちにがんばる力とできたときのよろこびを・・独自の段階的運動プログラム 年間全国15000人の指導実績

体育活動で何を求めるか

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子どもの運動事情

子どもを取り巻く環境が大きく変化し、子どもが子どもらしく育つということが、難しくなっています。

原因としてはライフスタイルの変化、治安の悪化、ゲーム・メディアの普及などが挙げられます。また、少子化・核家族化により、孤食も大きな問題になっています。ひどくは欠食する子どもも増えている状況です。食生活が多様化し、便利になる反面、様々なリスクファクターがあるのも現実です。

1964年から始まった全国体力テスト(全国体力・運動能力、運動習慣等調査)においては、「走る」「跳ぶ」「投げる」といった基礎的な体力の調査で、体力向上への関心から、1985年までは、体力・運動能力は上昇し続けていました。しかし、1985年をピークに体力は低下の一途をたどっています。

それに伴ない、学校ではケガ発生件数が年々増加、骨折率については、30年前の約2倍となり、また、かつて成人病といわれた生活習慣病は、当たり前のように子どもに見られ、これまた、子どもの肥満率は急上昇し、11歳の子どもについてはこの25年でおよそ2倍となっています。

運動量をみましても、今から30年ほど前の子どもの一日の平均歩数が2万〜2万7000歩であったことに対し、現在は1万〜1万3000歩と激減しているといわれています(ちなみに現在の大人の平均歩数は約5000歩でデスクワークを仕事にする人については約3000〜4000歩ともいわれています。しかし、体格については、30年前と比べ、11才の子どもを対象にすれば、体重は約3kg増え、身長は約3cm高くなっていて、男女ともに体格が良くなっているのは事実です。

特に興味深いのは、「休日に運動をしない小学校5、6年生では全国で約4割にのぼる」という文科省の調査結果です。こういった状況の中、「跳ぶ」能力を比較した場合、今の小学4年生は、20年前の幼稚園年長児と同じレベルであることもデータより見ることができます。しかし、すべての子どもが運動量、能力が低下しているのかといえば、そうではなく、サッカー、野球、体操といったスポーツクラブに通う子どもについては体力は以前に比べ上昇しているのも事実であり、まさしく二極化が進んでいると言えるようです。ある研究者は「今の子どもが大人になったとき、通勤電車で30分以上立つことができなくなるだろう」と警鐘を鳴らしています。このまま子どもの体力低下が進むと、日本の社会、または国力さえも危うくなりかねないということです。

まず、私たちが考えなければならないことは、どうやって運動ができる環境をつくるのかということになります。

環境と運動

全国体力テストNo1の福井県の小学校での取り組みをみますと、まず毎朝の5分間走を10年前から導入。放課後には、「スポーツ大好っ子育成事業」と称して、運動が得意でない子どもも自主的に参加できる活動を展開されています。また、小学校における体育専門教員数が全国で1位であるということも、背景にあるようです。

さて、このあたりで保育における運動という視点から、環境について考えてみたいと思います。

体育ローテーションを積極的に取り入れていただいている園の先生方から、「小学校へ上がると極端に運動量が減り、子どもたちの体が重くなってしまうんです」とか、「あんなに体が柔軟だったのに小学生になってどんどん体が固くなって……」という声を聞く度に、どれだけ園生活の中で運動が充実していたかと感じられることが多く、体育ローテーションという体育活動の成果の高さを感じます。

体育ローテーションとは、子どもの体力向上と運動能力の開発を目的に軽快なBGMに乗せ、年齢別の段階的なカリキュラムにより、様々な体育器具を設置し、個々にアタックしながら循環するサーキット運動であります。また、子どもたちの園生活においても、大きな効果が得られるのも特長のひとつで、毎朝、繰り返し行われるこの活動を通して、一日の快活なリズムとテンポをつくり出し、いきいきと活力あるスタートを切ることができます。

体育ローテーションをした日としなかった日では、子どもの様子に雲泥の差があると言われています。

ケガの発生率や、集中力といったところにも大きく影響します。ですから、毎朝、体育ローテーションを行う環境をつくるということが大切になるのです。

運動を通して学ぶこと

幼児期の運動については、体力、運動機能の開発、向上だけが目的ではありません。問題解決能力や、コミュニケーション能力を高めることにより、他者への思いやりや自己を高めること、あるいは成功体験を数多く経験することにより、自信を深め、様々な活動に対しても意欲的に参加できるようになるなど挙げるときりがありません。

しかし、昨今の子どもの教育事情を見ますと、学力偏重、あるいは技術偏重に片寄る傾向が多いようです。ただ単に技を競わせる、あるいは点数を取ることに目的を置くのではなく、子どもたちがいきいき活動できる環境をつくり、その中での様々な経験を通して、意欲・心情・態度を高めることが大切であると考えることが必要です。

体育ローテーションで言えば体育ローテーションをするから、体力・運動能力が上がるのではなく、体育ローテーションをしたいと思う子どもの気持ちが体力・運動能力を上げるのだということを忘れてはいけません。技術指導者ではなく愛と願いを抱き、子どもと志を共有できる先生であってほしいと節に願っております。