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子どもたちにがんばる力とできたときのよろこびを・・独自の段階的運動プログラム 年間全国15000人の指導実績

5 「あきらめない」「ひるまない」ということ 

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最近は、すぐにドロップアウトする若者が多いように思います。
「これは自分に合っていない」「自分の思い描いていたのと違う」という風に。

たしかに、決断は早いほうがよいときもあります。
たいていは「逃げ出す」ようにしか見えないことが多いのです。
教育の中で『個性を育てる』とよくいわれます。
大変すばらしいことです。
ここで問題なのは、「個性=自分らしさ」 と捉えることにより、自分にとって都合のよいことだけを受け入れることで満足しているのではないか、ということです。

個性とは自分が決めることではなく、他者との関わりの中で、いかに自分というものを表現すべきかと考えたときに、少しずつ芽生えてくるものであり、決して内在しているものではありません。

今、自分に求められていること、進もうとしている道にどうすれば近づくのか、他者とうまく関わっていくにはどんな自分であるべきなのかといった経験を数多くもつことにより、さらに磨かれていくのです。

最近のこどもたちはこういった経験が乏しく、自分の好きなことだけやればいいんだ、その好きなことが個性に繋がるんだという風潮に流されているような気がしています。
今、こどもたちのおかれているそういった環境では、生き抜く力を身につけることは到底難しく、常に他人の力を求め、自分を磨くというところまでいかないのです。
このことは先で述べた、「力をあわせる」と同じことです。

『個性』の誤った捉え方が、生き方を微妙に狂わせてしまっているといっても過言ではないでしょう。

運動が体力増進や運動能力の開発、向上といった目的だけではない部分がここにあるのです。
いずれ個性に繋がるであろう、「自分を高める」ということ。
これを具現化できるのが運動であり、スポーツなのです。

私は跳び箱運動を練習しているこどもたちに、こんなことをいいます。

「跳び箱がじょうずに跳べるとか跳べないとか、まずは、そんなことが重要じゃないんだ。
失敗しても、失敗しても挑戦しようとする気持ちが大切なんだ。
5段が跳べたら6段に、6段が跳べたら7段に挑戦しようと思う、そんな強い気持ちが大切なんだよ。
君たちがね、これから生きていく中で、跳び箱のような大きな障害にぶち当たることもあるんだ。
そこで、逃げ出したらだめなんだ。
挑戦するんだよ。
アタックするんだよ。
その障害を乗り越えた時、すばらしい世界が待っているんだ。
だから、この跳び箱もそんな強い気持ちで挑戦しよう。
あきらめないで。
ひるまないで。
くじけそうになったとき、必ず先生がいてあげるから。
友達がいるから。
大丈夫、自分を信じて!」

こどもたちは、強い眼差しでうなずいてくれます。
走り出した姿は、今まで以上に力強さを感じます。

「たとえ、それがもし、うまくいかず、失敗したとしても気にすることはない。
どうして失敗したのかをよく考えて次、また挑戦すればいい。
何度でも挑戦すればいい。
失敗なんて誰にでもあるんだよ。
怖がらなくていいんだ。」

そうして跳べるようになったこどもたちの成功体験は自己肯定感に繋がり、強いては他人をも受け入れることができる自他肯定感にも繋がり、やがて「個性」に変わるのです。
今のこどもたちにとって何よりも必要なことで大切なことなのです。